第6回・第7回 UXD/HCD ワイワイCAFE 「UX、デザイン思考、リーンスタートアップのためのワークショップファシリテーション入門」開催レポート

カテゴリー: 主催セミナー

こんにちは。UXD unit 佐藤です。

8月9日(土)・30(土)にUXD/HCD ワイワイCAFEの第三弾イベント「UX、デザイン思考、リーンスタートアップのためのワークショップファシリテーション入門」を開催しました。

昨今、様々なイベントがワークショップ形式で実施されるようになり、みなさんの会社内でもワークショップを実践することが増えてきているのではないでしょうか。
ワークショップが普及するに伴い、多様な参加者が集まり”共創”するための場をコントロールするファシリテーターの役割の明確化や、ファシリテーションのスキル育成が課題となってきています。

そこで本イベントでは、組織へのHCDプロセスの導入やプロジェクトのファシリテーションを中心に活動する株式会社グラグリッドの三澤直加氏を講師にお迎えし、創造的な成果を生みだすためのワークショップファシリテーションの基礎を学べるワークショップを企画しました。

本レポートでは主に8月9日のイベント風景をお伝えします。

よくある”会議”とワークショップの違いとは?

チーム内で自己紹介をした後、まず初めはディスカッション・ゲーム(1)です。
「毎日ついつい行きたいくなる図書館とは、どんな図書館?」というテーマで3段階のブレストを実施します。

最初の1段階目では、敢えてよくある”会議”を再現するため議長と議事録担当を設定し、発言には挙手が必要で順番に一人一人話すという条件付きです。
そのような条件設定のためか、ブレストというよりも会議然とした流れとなり上手くアイディアが広がっていきません。

次に、2段階目”ちょっと変わっている会議”、3段階目”変わっている会議”のブレストへ進み、その際、各チームにミッションが記載されたカードが示されます。

このカードにはファシリテーションの役割である、場づくり、舵とり、構造化、合意形成の進め方が具体的に記述されており、そのカードを受け取ったチームにはすぐに変化が現れます。

早速、立ち上がって壁に向かいメンバー全員で考えを出し合ったり、付箋をどんどん書き出してアイディアをまとめていくなど場が活性化。
チーム発表までの短時間のなかで、頭と身体を動かし集中して議論している様子が伺えました。

このように、通常の会議形式とファシリテーションを導入したワークショップ形式の違いを体験し、参加者からの感想として1段階目は学校の授業のようで順番に言わされている感じだったが、カード提示後は誰かの意見に乗っかりやすく複数アイディアが出やすい状況になったというコメントもあり、チームで共創していく場が醸成できた実感を得られたようです。

参加者の心理的な距離感をコントロールするには?

続いてはディスカッション・ゲーム(2)です。
ここでは会議の参加者数による心理的距離感の違いを体感すべく、8~9人、4~5人、2人で、「仕事がうまくいく、スケジュール管理の方法とは?」をテーマに議論します。

まず、5分間での8~9人の議論では、様々なアイディアが出るものの発言自体の時間が制限されたり、発言者が付箋に書くのか誰かが記録するかなどのルール形成が曖昧だったり、人数が多いこともあってテーマに対する回答をまとめる合意形成が出来にくいチームが見受けられました。

次に4~5人の議論は同じ5分間でしたが、人数が減った分だけ一人の発言を基に対話する時間が増し、お互いのアイディアを深堀りできたチームが増えていきます。

最後に2人ペアになっての議論を1分間で試してみると、実際には議論というよりも話し手と聞き手に別れた会話に近い状況になったり、話が盛り上がってくると付箋を書く余裕が無くなったり、テーマから逸れて個人的な話になってしまうペアも発生しました。

このように人数設定によって参加者が感じるパーソナルとパブリックの感覚の違いがあることと、肩書き等の立場や職種を意識させない雰囲気づくりや、短時間の集中共同作業によっても参加者間の距離が縮まることを肌感で学んでいきます。

ワークショップを設計しチーム交互に実践、そして省察

最後の課題は、ワークショップを設計するワークショップ。
「スマホアプリなどのUXデザイナーが、企画会議で参加者が一新したプロジェクトメンバーが考えていることを共有する」というお題で、10分間のワークショップをチーム毎に検討します。

ワークショップ設計シートをベースに、本日体験したファシリテーションの各種コツを踏まえ、グループワークの組み立てや時間構成を考えていきます。
チーム全員で議論する時間とは別に個人ワークをさせる宿題方式の時間配分を検討したり、発散と収束の手法をどう組み合わせればよいか、どのようなファシリテーションを取り入れていくかなど総合的な吟味が必要です。

あるチームでは、短時間で場を展開するために人数分のテンプレートとサンプル回答を自作し、周到なワークショップを実施していました。

8月30日はチーム数が奇数となったため、急遽見学者の皆さまと三澤様で1チームを作り、三澤様がアドリブであっという間に10分間ワークショップを設計。

お題に対して各メンバーが回答した紙を”紙飛行機”にして飛ばすというアクティビティを加えた構成で、チーム全員で紙飛行機を折ったり、飛ばしたりして笑顔で楽しんでいる姿がみられました。
このようなワークショップの工夫によって、互いの緊張をほぐし距離を縮めるという非常に効果的なアイディアを持っておられる三澤様に脱帽です。

チーム2ペアで交互にワークショップを試行した後に振り返りの省察をすると、 ファシリテーターの想定通りにワークショップが進んだチームもあれば、組み立てた時間内に収まりきれずワークを盛り込み過ぎていたチームは改善点も明らかになるなど、ワークショップ設計の面白さと難しさを実感したのでした。

貴重なグラフィックファシリテーションやスケッチノートを拝見

懇親会も見どころが多いのがワイワイCAFEです。

乾杯も早々に、三澤様が実践されているグラフィックファシリテーションやスケッチノートの実例をスライドで見せていただきました。
自然体で描かれているビジュアル的な表現ながらも、とても客観性がありロジカルに議論の流れを俯瞰できるところが職人の域という感じで、参加者のみなさんも感心しきり。

また本イベントでは、会場の背後で弊社太田と私が2タイプのリアルタイムドキュメンテーションを実践しており、そのフィードバックをさせていただきながらみなさまと意見交換。
新しい手法として、今後どのように自社の会議やワークショップに導入できるものなのか、どのようにしてこのような技術を習得していけばよいかなどお話しさせていただきました。

以下、当日のスライドと、ワークショップ内で利用したシートとメソッドカードのURLを記載しました。ワークショップの企画や実践の場面でご活用ください。

ワークショップ説明資料

ワークショップデザインシート

ワークショップデザインシート(簡易版)

ワークショップ・ファシリテーション・メソッドカード

※9/25追加:当日のワークショップ内で参加者に質問した「最近、あなたが会議で困っていることは?」の回答を三澤様に整理いただき、下記に掲載していただいております。

今後も「UXD/HCD ワイワイCAFE」では、第一線の現場で活躍する講師陣をお招きし、実践で役立つセミナー・ワークショップを企画していきます。