第5回 UXD/HCD ワイワイCAFE 「UX、デザイン思考、リーンスタートアップのためのオブザベーション(観察)入門」追加開催レポート

カテゴリー: 主催セミナー

こんにちは。UXD unit 佐藤です。

前回5月17日のイベントでは定員を上まわるお申込みをいただきましたため、再び『メンタルモデル ユーザーへの共感から生まれるUXデザイン戦略』を邦訳された酒井洋平氏、羽山祥樹氏を講師にお迎えし、7月5日(土)に「UX、デザイン思考、リーンスタートアップのためのオブザベーション(観察)入門」を追加開催しました。

顧客体験の分析のためにアンケート調査やログ解析、ビックデータなどを活用する企業が増える一方で、本イベントで実践するような”観察”を通じた調査分析手法が注目されている背景もあり、今回も様々な業種業態の皆さまが参加されました。

想定外の行動から気づくこと

今回の観察テーマも、前回(第4回イベント開催レポート)と同じく下記写真の”IMJ受付”に初来訪した方の行動です。

はじめに各チームの被験者役として、これまでIMJで受付をした経験がない方を選出します。行動の文脈をなるべく普段の会社訪問時に近づけるため1階エレベータホールからスタートし、仕事でIMJ社員と打ち合わせをするためIMJを初めて訪れ、その社員の名刺しか手掛かりがないというシチュエーションの設定をお話しします。

エレベータを上がった受付階の出口では、観察側は隠れるように待機しています。

あるチームで思いがけない行動がここで発生。被験者がエレベータを出たあと受付が見つけられず、反対方向に向かってしまい少し迷ってしまうという事態が起こります。そもそも受付が見つけにくいというビル内導線に課題があることが発見された訳ですが…、実は前回も同じようなパターンで迷う被験者がいました。

続いて受付カウンターでも、弊社では想定していなかった行動が見受けられました。
上記写真のように内線電話が複数台あるため困惑する様子や、iPadによる内線番号検索を利用したところ担当者の名前を探してもなかなか内線番号に辿りつけないという被験者もおり、弊社としては大変心の痛む状況が続きます。

受付奥のソファースペースには、Microsoft Kinect(※)による会社紹介コンテンツと、「Pitali」というサービスの紹介iPadが設置してあります。

ところが担当者を待つ数分間のなかで、iPadを操作する余裕がない心境や、使ってみたけど中途半端に終ってしまう姿、Microsoft Kinect(※)を触ってみたいのだけど急に担当者が現れらた恥ずかしいなどの気持ちがあることが洗い出され、利用者の利用状況に応じた配慮が足りていないことが多々判明したのでした。

被験者からのフィードバックを引き出すコツ

観察を終え、次はいよいよ各チームで”ジャーニーマップ”を作成します。
まず撮影役がスマートフォンなどで録画した映像を被験者役と観つつ、受付をした場面の状況を思い出しながら気持ちの振れ幅を曲線で描いていきます。(エクスペリエンス・フィードバック評価法という手法)

その曲線に沿って観察時に書き溜めていた付箋を貼り、さらに被験者役に振り返りインタビューをして、本人にしかわからない心理状況などをどんどん明らかにして付箋を加えていきます。

そして全体の流れを時系列でステップ分けすると、いわゆるジャーニーマップの原型の出来上がり。

被験者の行動をこのように可視化しチーム内で概観していくことで、次の段階である改善案検討の際に、全員が共通の土台の上で議論ができるのもこの手法の優れた点です。

チーム毎の多様な改善アイディアに耳を傾ける

そして、改善アイディアを各チーム毎に短時間で検討。まとめまでの時間が足りないながらも各チーム発表の時間です。

IMJの技術力をアピールするならば、対話型のロボットを設置して担当者呼び出しまで出来るようにナビゲートさせるという飛躍したアイディアもあれば、むしろ来訪者がデバイス操作するような場面ではないので自然に動画を流すほうがよいのではというコンテキストを意識したアイディアなど多様な改善案が飛び出しました。

各チーム発表に対して羽山氏や酒井氏からの講評をいただき、IMJ担当者からもコメントをさせていただきました。今回、様々な課題点が浮かび上がりアイディアが生まれましたので、今後少しでもそれを受付スペースの設備や展示の改良に繋げていきたいと考えております。

飛び入りライトニングトークで懇親会もヒートアップ

毎回コンテンツが盛りだくさんの懇親会ですが、さっそく羽山氏酒井氏からメンタルモデル・ダイアグラムの貴重な実物を披露いただきました。
横長のプリントアウトを広げると写真のように長尺で、参加者一同興味津々です。

羽山氏からは、前回の懇親会でも好評だった参加者への即興インタビューを実演。

酒井氏からは、mixi社のアプリ「muuk」のライトニングトークで前回懇親会よりもより深いお話しをいただいたり、また、当日の参加者の方が関わっている事業サービスの紹介なども飛び入りでしていただき、そのサービスの今後の展望など参加者と意見交換するなど盛り上がりをみせました。

弊社からは、遠野みらい創りカレッジ「みんなの未来共創プログラム 創造的発見ワークショップ」のご案内をさせていただくなどライトニングトークのネタが満載で、懇親会とは思えないような充実感のある場となりました。

今後も「UXD/HCD ワイワイCAFE」では、第一線の現場で活躍する講師陣をお招きし、実践で役立つセミナー・ワークショップを企画していきます。