UXD/HCD ワイワイCAFE 第13回 「サービスデザインのためのワークショップのワークショップ(再演)」開催レポート

カテゴリー: 主催セミナー

こんにちは。株式会社T-MEDIAホールディングスの佐々木と申します。

2015年8月8日(土)にUX、デザイン思考、サービスデザインのための『ワークショップのワークショップ』が開催され、主催者という形で参加させていただきましたのでレポートします。

“参加者が主催者になる”というコンセプトの新シリーズ「ワイワイCAFE CONNECT」。
その第一回目となった今回は、6/20に開催された同名企画(講師:樽本徹也氏)への参加者5名で主催されました。

前回同様、ワークショップの名作「The Wallet Project(お財布プロジェクト)※」を題材とし、今回用にアレンジを加えての開催です。

※「The Wallet Project(お財布プロジェクト)」とは
デザイン思考の学校・米スタンフォード大学d.schoolで開発されたブートキャンプ(新兵訓練)スタイルのスピード感溢れるワークショップです。デザイン思考の基本プロセスとダーティ・プロトタイピング手法を使って、その場で実際にプロダクトを制作します。オリジナルは10週間の教育内容を90分間に圧縮したという超スパルタ方式ですが、今回は日本の開発/デザインの現場に適するように内容を改良したロングバージョンです。

お財布プロジェクトを今回用にアレンジ!

ワークショップ本体は、前回実施された樽本氏によるワイワイCAFEの内容を踏襲した形となりますが、その中に今回用のアレンジを多々盛り込みました。当レポートはそのアレンジ部分を中心として進めて行けたらと考えていますので、皆様が会社で実践する際の参考になれば幸いです。

まず講師陣で、今回のお財布プロジェクトにおける目的を明確にしました。
デザイン思考を「学んでもらう」ではなく「持ち帰り、実践してもらう」ことをゴールに設定。

その後、前回の参加者全員で行った「KPT (※)」の分析を中心に現状把握し、問題定義、解決策の創出までを実行。それを、進行のシナリオなど大きな流れから、作業説明の言い回しなど細かい点まで落とし込みます。
※KPTとは、行ってきた作業や活動を「継続(keep)」「問題点(problem)」「挑戦(try)」の3つの視点で振り返るためのフォーマットのこと。

例えば、デザイン思考の理解度に依存する”参加者のモヤモヤ(このインタビュー方法でいいのかな・・?等)”が次の作業にまで影響を及ぼしてしまっている問題がありました。
この場合は進行へ1~2分のTIPSを追加し、作業前に簡単なコツを提供することで解決を狙います。

各行程で判断に迷う場面もありましたが、目的を明確にしていたことで都度全員の目線を合わせることが出来ました。

リハーサルでシナリオと台本を検証!

そしてリハーサルです。協力者を募り、当日の流れを一通り体験してもらいました。
実際組織へ導入する際も、こうした協力を得られると進行しやすいと思います。

本番と同じ制限時間、同じ材料でお財布を作ってもらいます。

用意したシナリオに沿って進行してみると、細かい課題に多く気付きました。 例えば使用するダンボールの渡し方や、参加者に作業終了をお知らせするベル音のボリュームなどは、実際にリハーサルを行ってみないと分かりません。

協力者の方々からいただいた課題を持ち帰り、改めて進行や台本を再考。
全員での台本読み合わせを行うことで、「台本を読み上げる際のテンポ・抑揚」や「参加者の作業前後へ意識的に設定する間(ま)」など細かい点まで調整を繰り返しました。

という流れは、お財布プロジェクトの元にもなっている「デザイン思考の5ステップ(※)」に近いものがあったと感じています。
※デザイン思考の5ステップとは、Step1:共感(Empathize)→Step2:問題定義(Define)→Step3:創造(Ideate)→Step4:プロトタイプ(Prototype)→Step5:テスト(Test)のプロセスのことです。

リハの課題解決を反映し、いよいよ本番!

いよいよ本番当日です。
先にも書きましたが基本的に前回の流れを汲んだ形となりますので、お財布プロジェクトの内容に関しては6/20のレポートをご覧ください。

参加者は少ない作業時間に苦労しながらも様々なアイデアを生み出していました。

メインファシリテーターの株式会社nanapi吹上さんは、リハーサル後に調整した細かい言い回しやテンポ、抑揚、間(ま)を見事に実践されていました。
今回用に追加したTIPSの内容も好評で、参加者の皆様は作業に集中できた様です。

ワークショップ後にはタネ明かしと、実践のポイントを講義

ワークショップ終了後、講師の1人である株式会社コンセント佐藤さんが講義を行いました。

「デザイン思考を理解・浸透させるために」というタイトルで行われたこの講義。あくまで”持ち帰って実践してもらうこと”に焦点をあてた内容で、参加者の方々は当日の体験とその後の実施方法までが線で繋がったのではないかと思います。

講義終了後は参加者のみなさんで、付箋への書き込みによる振り返りを行いました。
「職場で実施する際、参加者に初心者が多いためどの様にファシリテートするかが課題」といった意見もあり、早くも各々の環境に合わせた調整を検討していた様子でした。

お財布プロジェクトをお持ち帰り!

最後に「お財布プロジェクト・ツールキット」をお持ち帰り。台本と材料、そして『このキットを使ってどうアレンジしてやろうか』という意識までお持ち帰りいただけた様な気がします。

懇親会でミニ講義

懇親会へはほぼ全ての参加者が出席し、みなさん食事を片手に活発な意見交換を行っていました。

また、懇親会の中で佐藤さんが「定性調査と定量調査」についてのミニ講義も開催。その場にいる全員で聞き入りました。

まとめ:開催を振り返って

今回我々も労力を費やした「アレンジ」については、実際の導入時も参加者の立場や経験値に合わせて調整していただくと、より効果的なワークショップになると思います。

一方、”早く試して失敗する”ことを優先し、全くアレンジせずに一度実践してみるのも良いかもしれません。(その場合二回目をすぐに開催!)

どちらにせよ一歩目を踏み出す際、お持ち帰りいただいた台本と材料が非常に有効なツールになることは間違いありません。今回の資料も公開されていますので、積極的に活用していただければと思います。

個人的にも、今回ワイワイCAFEで学んだ直後に自ら実践させていただき、さらに理解が深まりました。そして何よりも、こうして優秀な方々と繋がらせていただいたことに感謝です。正に”コネクト”ですね。

本シリーズ同様、今後の「ワイワイCAFE CONNECT」も楽しみにしていきたいと思います。

ありがとうございました。

以下、当日の資料です。
今後の実践の場面でご活用ください。

株式会社アイ・エム・ジェイ R&D室
ファシリテーター/デザインリサーチャー
サービスデザイン・プロジェクトにおける調査分析業務に従事。ネットアンケートからインタビュー、行動観察まで幅広くデザインリサーチの設計・実査に携わる。