UXD/HCD ワイワイCAFE 第12回 「サービスデザインのためのユーザーインタビュー入門(再演)」開催レポート

カテゴリー: 主催セミナー

こんにちは、R&D室Service Design lab.の赤石と申します。 7月11日(土)に行われたUXD/HCD ワイワイCAFE「サービスデザインのためのユーザーインタビュー入門(再演)」開催のレポートをお届けいたします。

前回の開催レポートはこちらです。

今回は話題の一冊「マーケティング/商品企画のための ユーザーインタビューの教科書」出版記念として著者である奥泉さん、山崎さん、三澤さん、古田さん、伊藤さんをお迎えし、ユーザーインタビューを見て学ぶ座学とインタビューを実演してみる実技の二本立ての企画を実施しました。

前回のイベント終了後、講師陣の話し合いでアンケート結果からイベントを改善し、今回の7/11を迎えました。反響の大きかったインタビューライブを中心にレポートをお届けします。

今回もプロのインタビューに釘付け!

インタビューライブでは講師陣のインタビューを目の当たりにします!
今回は「好きな食べ物」について聞き出します。時間は5分間で、インタビュワーの設定として、今度新商品を考えているので、食に関してのインタビューを行う、というものです。今回も参加者から2名インタビューを行いましたが、そのうちのお一人に対してのインタビューの一部を取り上げ、そのコツを見て行きたいと思います。

講師「今日のインタビューは今度お店で新商品を作るので、その企画に役立てようと思っています」
講師「好きな食べ物はありますか?」
参加者「お肉です」
講師「どんなお肉料理ですか?」
参加者「焼き鳥です」

はじめにインタビューの趣旨を説明した後、「好きな食べ物」について絞って深く聞いていきます。

講師「いいお店あるんですか?」
参加者「あります、家の近くにあって」
講師「失礼かもしれませんが‥ご家族は気にするんじゃないんですか?」
参加者「残業でいつも遅いから内緒で行ってます」

今回は”機会探索型インタビュー”というもので、相手を人間として全体的に捉え、生活や特定の物事との関わり方を知ることで、相手の気持ちに寄り添いながら共感していきます。

講師「いつもお店に行っているんですか?」
参加者「そういえば・・大きめの仕事が片付いた時だけです。普段は和菓子とか」
講師「和菓子・・はどんなものですか?あんこがついている、とか」
参加者「お団子です」
講師「焼き鳥とお団子って形が似てますよね(笑)」

ここでは”オウム返し”という、相手が和菓子といったら和菓子とはどんなものですか、と返すコツがありました。普段考えたり話したりしない話題は突然聞かれても答えにくいので流れや内容を工夫します。また、講師陣から1回の談話で1回の笑いいれるようにしている、という心構えも聞けました。

講師「お団子も外で召し上がるんですか?」
参加者「いえ、それは家族分買って帰ります」
講師「甘いものお好きなんですね」
参加者「そういえば甘いものは毎日食べています」

インタビュー時間の5分はあっという間に終わりました。講師の方からは、甘いもののお話をもっと深く聞ければ良かった、というコメントがありました。

インタビューが終わってから「どうでしたか?」と伺うと、インタビューされている方も「ちゃんと答えられたんだろうか」と不安になる、という感想がありました。インタビューしている方も緊張するけど、それ以上にされている方も緊張しているということは忘れてはいけませんね。
講師の方からは、リラックスしてもらう環境を作るのもお仕事ですというアドバイスがありました。こうして、インタビューする側、される側双方の意見を聞ける機会はなかなかなく、会場も聞き入っていました。

一方もうひと方のインタビューでは、講師の方の質問の仕方が少し異なりました。
ここでは「好きな食べ物はなんですか?」とはじめには聞かずに、生活パターン全般を聞きました。ご本人が食事を作っているのか、それは朝昼晩なのか、または購入してくるのかなど食生活の行動を聞きながらも、実は仕事の変化が関係していることなども深堀りしていきました。買ってこないと得られない楽しみと、自分で作る楽しみの両方があり、実は甘いものを買ってくる楽しみがあることもわかりました。

また、インタビュイーが甘いものを答えた時に顔が輝いた瞬間をインタビュワーは見逃さずに、会話を深堀りしていきました。直接聞かずとも普段の行動から聞いていくことで最終的にほしい答えを得られるコツを間近で見ることができました。

参加者からの質問をベースにディスカッション!

IMJ佐藤がモデレーターとなり、フィッシュボール形式(※1)で対談を行いました。参加者の方から出た質問で「社内でインタビューを導入するにはどうすればいいのですか?」というものがあり、講師陣からは「まずは近くの同僚に聞いてみたり、会議の中で社員にインタビューするなどして、そこから少しずつインタビュー結果を活用していきます。そうしてインタビューする価値を社内に徐々に伝えていくと、その後理解者も増えて予算もつきますよ」というアドバイスがありました。

また、「前準備はどうしたらいいですか」という質問に対しては、「実際にはインタビュースクリプト(※2)というものを用意していて、インタビューで必ず聞かなくてはならない項目は聞きます。ただし、全て質問項目通りに聞くのではなく、話の流れによって臨機応変に聞いていくと良いです、というアドバイスもありました。

※1 フィッシュボール形式とは、著者とモデレーターが、部屋の中心に輪になって座り、その輪を取り囲むように、参加者が椅子をもって取り囲む形式のこと。
※2 インタビュースクリプトとは、予めどんな事を聞くか考えたものの覚え書きのこと。

懇親会ではサイン会が!

参加者の中には著者5名のサインをもらいに行く強者も!また、この日は本の出版社である株式会社マイナビの編集担当さんからは「この本が出て良かった」というアツいサインをいただきました。

再演となった7/11ですが5/23とはまたひと味加えられた内容となっておりました。

以下、インタビューの教科書でご紹介しているチェックリストとテンプレートです。
今後の実践の場面でご活用ください。

インタビューのチェックリスト

インタビューのテンプレート

今後も「UXD/HCD ワイワイCAFE」では、第一線の現場で活躍する講師陣をお招きし、実践で役立つセミナー・ワークショップを企画していきます。

株式会社アイ・エム・ジェイ R&D室
ファシリテーター/デザインリサーチャー
サービスデザイン・プロジェクトにおける調査分析業務に従事。ネットアンケートからインタビュー、行動観察まで幅広くデザインリサーチの設計・実査に携わる。