UXD/HCD ワイワイCAFE 第11回 「UX、デザイン思考、サービスデザインのための『ワークショップのワークショップ』」開催レポート

カテゴリー: 主催セミナー

こんにちは。R&D室Service Design lab.の杉田です。 6月20日(土)にUX、デザイン思考、サービスデザインのための『ワークショップのワークショップ』を開催しましたのでレポートします。

今回は第1回ワイワイCAFE 「UX、デザイン思考、リーンスタートアップのためのインタビュー入門」に登壇したUXリサーチャ/ユーザビリティエンジニアの樽本徹也さん(利用品質ラボ代表)をお迎えし、実際にデザイン思考ワークショップの名作「The Wallet Project(お財布プロジェクト)※」を体験した後にワークショップの再設計を行うワークショップのワークショップを行いました。

※「The Wallet Project(お財布プロジェクト)」とは
デザイン思考の学校・米スタンフォード大学d.schoolで開発されたブートキャンプ(新兵訓練)スタイルのスピード感溢れるワークショップです。デザイン思考の基本プロセスとダーティ・プロトタイピング手法を使って、その場で実際にプロダクトを制作します。オリジナルは10週間の教育内容を90分間に圧縮したという超スパルタ方式ですが、今回は日本の開発/デザインの現場に適するように内容を改良したロングバージョンです。

お財布プロジェクトをワイワイCAFE仕様に!

2013年に樽本さんと関満徳さん(POStudy代表)が共同で作成した「お財布プロジェクト」用のファシリテーションガイド(ワークショップを進行する台本)をもとにリハーサルを行い、ワイワイCAFE用にアレンジしました。

開催2週間前に樽本さんと弊社R&D室メンバーで集合し、「お財布プロジェクト」をひと通り体験しました。全員でふりかえりながらアイデアを出し合い、ワークショップの再設計を進めていきます。上記写真は、床でワークしたらどうだろう?というアイデアをもとに、実証実験している様子です。

お財布プロジェクトは始まったら、止まらない。

デザイン思考ブートキャンプ「お財布プロジェクト」スタート。まずは体験してみます。

お互い面識のない参加者同士で2人がペアになり、相手のことを知りながら、相手が理想と思えるお財布を考えるワークショップです。
4分でインタビュー、3分で要件定義、5分でアイデアスケッチ、4分でまたインタビュー…と、始まったらもう止まらず、2時間みっちりワークします。

このワークショップには、お財布の持ち主にフォーカスしてインタビューをする時間があります。お財布は常に持ち歩くものであるため、その人自身のライフスタイルが出やすいもの。樽本さんは「サイフはライフ」とおっしゃっていました。
次は、いよいよお財布を作っていきます。

用意した材料を使用し、相手がほしいと思えるお財布を作っていきます。
材料は、すべて100円ショップで買えるものです。道具を用意する必要があるものの、低価格でワークショップを実施できるのも「お財布プロジェクト」の魅力です。

限られた時間の中でプロトタイプを作成していきます。

お財布を作ったあとにも再度インタビューをし、より深く相手の声を聞いていきます。実際にものを見ると、「さっき○○って言ったけど、やっぱりそうじゃないかも」「もっと✕✕にしてほしい」など、作らなければ分からなかった本音も聞こえてきます。それをもとに、プロトタイプを改善していきます。

完成後はお財布発表会で、参加者同士ふせんで意見交換を行いました。
相手の声に耳を向けた結果、服に着けられる「お財布ポケット」、財布に入れておく「残金の分かるカード」、身体に身につけられる「輪っかのお財布」など、ユニークなコンセプトが生まれました。

いよいよワークショップの裏側へ。

ブートキャンプを終えたところで、樽本さんからワークショップの解剖が始まります。
「お財布プロジェクト」で使用した資材のリストを始めとし、普段滅多に目にすることのないファシリテーションの「台本」の現物を公開し、さらに、その背後にあるワークショップ・デザインの意図も明らかにしていきます。

全体のプロセスには、IDEOやスタンフォード大学のd.schoolで採用されている「デザイン思考の5ステップ」をもとに作られています。
その他にも様々な手法が引用されており、ぎゅっと2時間にそれらが濃縮されていたことに、参加者の皆さまも驚きです。

その中の一つ、アジャイル開発などで使用される「KPT(※)」を用いて、今回のワークショップのふりかえりをしてワークショップは終了です。

※KPTとは、行ってきた作業や活動を「継続(keep)」「問題点(problem)」「挑戦(try)」の3つの視点で振り返るためのフォーマットのこと。

デザイン思考ワークショップ「The Wallet Project」を”お持ち帰り”!

参加者の皆さまには「お財布プロジェクト・ツールキット」をお持ち帰りいただきました。台本と材料を用意したので、翌週オフィスに戻って社内でワークショップを再演することが可能な状態に!

懇親会中にも樽本さん独演会が!多くの参加者が釘付けに。

懇親会では、このワークショップでも使用している「デザイン思考の5ステップ」をさらに詳しく書いた、樽本さんの著書「ユーザビリティエンジニアリング(第2版)」の販売会に合わせ独演会も開催しました。多くの参加者の皆さまが樽本さんのお話に耳を傾けていました。

再演も決定!次回の講師は参加者の方々です。

今回も満員御礼でキャンセル待ちの方々が多数いらっしゃったため、再演が決定。なんと、次回の講師は今回の参加者の方々です!
樽本さん監修のもと、更にワークショップを再設計をし、8月8日(土)に開催いたします。

以下、今回のワークショップの関連資料になります。
今後の実践の場面でご活用ください。

デザイン思考ブートキャンプ「お財布プロジェクト(The Wallet Project)」ファシリテーションガイド

デザイン思考ブートキャンプ「お財布プロジェクト(The Wallet Project)」材料リスト

今後も「UXD/HCD ワイワイCAFE」では、第一線の現場で活躍する講師陣をお招きし、実践で役立つセミナー・ワークショップを企画していきます。