UXD/HCD ワイワイCAFE “BITTER”第2回 「企業のWebサービスをテーマとしたシニアユーザビリティ評価」開催レポート

カテゴリー: 主催セミナー

こんにちは、内定者の赤石と申します。
2月28日(土)に行われたUXD/HCD ワイワイCAFE「企業のWebサービスをテーマとしたシニアユーザビリティ評価」開催の参加レポートお届けいたします。

今回のワイワイCAFEは”BITTER”と称して、少し難易度を高めたセミナー・ワークショップを企画していくシリーズの2回目となっています。

そこで、シニアマーケティングやウェブユーザビリティの専門家である佐藤純氏(マミオン有限会社)を講師にお迎えし、シニア特有の実態や課題について学ぶ「講義」と実際にシニアのユーザーテスト観察を行う「実践」の二本立ての企画を実施しました。

使いづらいサイトを参加者が各自で評価する

前半の講義ではユーザビリティ評価全般に関する概論と、シニア特有の実態や課題について学びました。

まず、同じチームの初めて出会う人と自己紹介タイムです。
そこでは、お名前と一緒に「最近使いにくいと思ったサイト」を紹介し合います。「分かる分かる!」という共感がとても多く、リテラシーの高い参加者の方でも使いにくいと思うサイトが沢山あることに驚きました。

次に、その使いにくいサイトは「有効さ」「効率」「満足度」のどれにあたるのかを考えました。使いにくすぎてサイト内の目標達成を阻害するのなら「有効さ」、目標達成はできるけど時間を無駄に多く必要としているなら「効率」、気持ちが満たされていない場合は「満足度」といったように分類をします。

その他にも前半の講義では、「ユーザーテストとは何か」、「何故シニアにユーザーテストするのか」、等々ここでしか聞けない貴重なお話が伺えました。
なかでも、『炭鉱のカナリア』の例えが面白かったです。使いにくく分かりにくいサイトがあるとブラウザのバツで閉じて、再び訪れなくなるという現象がよく起きているようです。その姿がまるで炭鉱で毒を人間より早く察知して倒れてしまうカナリアと似ているという、制作側としてとても心の痛む話でした。

ワークショップでしかうまれないアイデア

後半のワークショップではユーザーテストの動画を見てから改善案をチームで考えました。

ユーザーテストで実際のWebサービスを使った動画の様子を観察し、利用者の発話や行動などを付箋に書き起こします。普段使っているWebサービスが取り上げられていて、とても驚きました。

通常のユーザビリティ評価ワークショップでは、フォーム入力の行動などを見ると使いにくさが直ぐに分かるそうですが、今回は”BITTER”ともあって、ユーザーが自分でプランを立てるという何気ない様子を観察するお題だったため、問題点を書き起こすのにとても苦戦しました。

それでも、あっという間に机は付箋で埋め尽くされていました。

チーム全員で問題点を書き起こした付箋を見つめ、問題の原因を探り、解決案を付箋の色を変えて書きました。自分1人ではなくチームで付箋のグループを近づけては離しを繰り返して、何度も話し合うことで出るアイデアが沢山あったように思いました。

問題点の整理を行った結果の例がこちら。ユーザーの利用ステップごとに問題点をまとめ、分析フレームワーク(発生頻度×効果/効率/満足度)を使ってマッピングをしています。

より実践的な改善案の提案へ

一通り改善案が出そろったところで各チームの発表と講評に入りました。
4チームが「相手企業の担当者にテスト結果を5分で説明する」という状況の中で発表していたため、緊張感が漂っているように感じました。

“ユーザーはテストだから最後まで根気よくやってくれているが実際だったら調べてくれないと思う”
“目的は達成できているけど、とっても時間がかかるし、出てきた結果が見にくくストレスになっている様子が伺えた”
といった動画を見てはじめて分かった問題点や、それに対する改善点が出ていました。

“具体的な事例を題材にして分析ができて附に落ちた”
“現在のサイトの機能が全く使われていないことがわかった”
“講師の方の日々の業務からのシニアに関する気付きの話が勉強になった”

といったワークショップの主な感想は、はじめて見るシニアのWebの使い方に驚いている様子でした。
佐藤氏から講評と「動画を見ていてシニア特有だと思ったことはありますか?」という質問をなげかけられ、考えている様子が伺えました。もちろん、シニア特有の問題もありましたが、それは年齢関係なく困る場面というのも沢山発見されました。

参加者の方からは
“具体的な事例を題材にして分析を行えたのがすごく良かったです”
“シニアを対象にサイトをつくることで、結果的にシニア以外にも便利なサイトになるというのは目からウロコの考え方でした”

という感想もいただき、私自身もこれからWebサービスに関わる仕事をするにあたりとても重要な考え方だということを学びました。

以下、当日のスライドとURLを掲載しました。今後の実践の場面でご活用ください。

ユーザビリティ評価資料

今後も「UXD/HCD ワイワイCAFE」では、第一線の現場で活躍する講師陣をお招きし、実践で役立つセミナー・ワークショップを企画していきます。

株式会社アイ・エム・ジェイ R&D室
ファシリテーター/デザインリサーチャー
サービスデザイン・プロジェクトにおける調査分析業務に従事。ネットアンケートからインタビュー、行動観察まで幅広くデザインリサーチの設計・実査に携わる。